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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科49巻5号

1995年05月発行

文献概要

特集 第48回日本臨床眼科学会講演集(3) 学会原著

新しいMackay-Marg型眼圧計(ProTon)による眼圧測定と誤差因子

著者: 千原悦夫1 塚田孝子1 斉藤ひとみ1 辻みかり1 金森充2

所属機関: 1千原眼科医院 2(株)トーメー

ページ範囲:P.991 - P.994

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 最近の眼圧測定は測定部分の大きさが直径7mm(圧平部分の直径3.06mm)のゴールドマン型圧平眼圧計(GAT)が標準的に使われているが,この大きさのプローブは,瞼裂幅の小さな患者で測定誤差の原因となることがわかっている。この問題を解決する方法の1つとして筆者らは圧平部分(プランジャー)の直径が1.8mm,測定先端部(ノーズピース)の直径が5.0mmと小型化された新しいMackay-Marg型眼圧計(ProTon®)を用いて,測定を行い,また,ProTonとGATによる測定の誤差と誤差に関与する因子について調べた。対象は無差別に選択された87名の患者の87眼であり,ProTonとGATによる測定値に対してSASプログラムによる多変量解析を行った。ProTonによる眼圧測定値はGATによる眼圧測定値と有意差がなく,測定誤差は患者の年齢,矯正視力,角膜曲率半径のいずれとも相関しない(estimated difference 0.58,-0.070,-0.059)。しかし,検者の習熟の程度は測定誤差の大きさと相関し,1人の検者が10回以上の測定を経験することによって充分な水準(p<0.05)に達すると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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