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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科49巻5号

1995年05月発行

臨床報告

テクノストレス眼症の1例

著者: 伊比健児1 鈴木亨1 広瀬直文1 秋谷忍1

所属機関: 1産業医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.1034 - P.1038

文献概要

 Visual display terminals (VDT)作業に対する不適応から生じる心理的ストレスによって調節障害を生じたと考えられた20歳の女性のVDT作業者を経験した。毎日8時間以上のデータ入力作業を約1年6か月行い,近見障害を訴えて当科を受診した。近見視力は雲霧法にて右裸眼視力0.3が0.6に,左裸眼視力0.3が0.7に上昇し,心因性視力障害を疑わせた。1年間の経過観察中,調節機能はVDT作業施行中は麻痺様状態であったが,VDT作業を1週間中止したときは,調節機能が改善し,転職して1か月すると正常化するといったVDT作業の有無に関連した調節機能の変動を認めた。VDT作業による不安や疲労,職場に対する不満,雲霧法による近見視力の上昇,VDT作業に関連した調節機能の変動などから,本症例の調節障害はVDT作業による心理的ストレスに起因するものと判断した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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