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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科49巻6号

1995年06月発行

連載 眼の組織・病理アトラス・104

涙腺の多形性腺腫

著者: 猪俣孟1

所属機関: 1九州大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1076 - P.1077

文献概要

 涙腺に発生する腫瘍のうちで最も頻度が高いのが多形性腺腫pleomorphic adenomaである。多形性とは,上皮性の細胞からなる部分と一見間質様の組織からなる部分とが混在しているという意味である。したがって,本腫瘍はかって涙腺混合腫瘍mixed tumor of lacrimal glandとも呼ばれていた。
 涙腺の多形性腺腫はそのほとんどが良性である。あるゆる年齢層に発生し,やや男性に多い。初期には痛みや複視,視力障害などの臨床症状に乏しい。腫瘍が大きくなると,眼瞼下垂,眼球の下内方偏位などが起こり,上眼窩縁付近に硬くて表面が平滑な腫瘤を触れるようになる。画像で涙腺窩に圧迫性のくぼみや上眼窩壁の骨欠損がみられることがある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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