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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科49巻6号

1995年06月発行

文献概要

連載 眼科手術のテクニック—私はこうしている・78

超音波水晶体乳化吸引術—手法

著者: 小松真理1

所属機関: 1武蔵野赤十字病院眼科

ページ範囲:P.1084 - P.1085

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一手法の適応
 一手法の超音波乳化吸引術は,効き手でハンドピースを持ち,これを両手で支える,いわばtwo—hands one-instrument techniqueである。二手法と比較しての利点は,ひとつの器具に注意を集中できること,ハンドピースの方向をコントロールしやすいことである。ことに耳側切開からのアプローチでは,この支えは非常にありがたいものである。しかし,核の移動,捕獲,追従,吸引の全てを超音波チップによる吸引とこの動きだけに託さなければならない点,硬い核に対しては決して効率のよい方法とはいえない。この不自由を補うものが,MMP (multi-modulated phacoemul—sification:超音波乳化吸引の段階に応じた吸引流量,最高吸引圧,灌流圧をあらかじめ設定しておき,局面に応じて選択する方法)であり,とくにフットスイッチによる切り替えができれば瞬時に変換が行え,その効果を最大に生かすことができる。しかし,非常に硬い核の処理については,現在のところphaco-chop法の効率のよさには追いつくことができない。したがって筆者自身はEmery分類Grade 3までの核に対しては一手法で行い(その方が簡単で安全,また余分な創がなくエレガントであると考えられるから),Grade 4以上については二手法(phaco-chop法)で行っている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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