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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科49巻6号

1995年06月発行

文献概要

特集 第48回日本臨床眼科学会講演集(4) 学会原著

円錐角膜の急性水症に対する前房内空気注入療法

著者: 辻英貴1 宮田和典2 水流忠彦3

所属機関: 1旭中央病院眼科 2東京大学眼科 3東京大学角膜移植部

ページ範囲:P.1162 - P.1164

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 円錐角膜による急性水症3眼に対し,前房内に空気を注入することによって,浮腫を早期に軽快させ,ハードコンタクトレンズによる早期の視力回復を得ることができた。急性水症によるデスメ膜断裂はほとんどが角膜中央部であるため,仰臥位である限り0.1mlの空気のみで十分なタンポナーデ効果が可能であった。空気が吸収され,タンポナーデ効果が不十分と判断したときにのみ,初回穿刺部から追加投与を行った。前房内空気注入療法では,浮腫消退までの期間およびハードコンタクトレンズを再開するまでの期間は,従来の保存的治療法に較べ有意に短縮された。この術式では,眼圧上昇,気体の後房迷入などの合併症はみられず,急性水症の治療法として積極的に試みられてよい術式と思われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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