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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科49巻6号

1995年06月発行

文献概要

特集 第48回日本臨床眼科学会講演集(4) 学会原著

偽水晶体眼の偽調節と瞳孔径

著者: 内山幸昌1 清水由規1 熊谷正也1 岩澤博俊1

所属機関: 1日本医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.1193 - P.1196

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 本実験は縮瞳によるピンホール効果と偽水晶体眼にみられる偽調節との関係を知ることが目的である。老人性白内障で嚢外摘出術後,ハード単焦点後房レンズの移植手術をうけた偽水晶体眼(PP)で,術後1〜3か月以上経過した症例のうち,瞳孔が中心に位置し,正円で瞳孔運動も良く,視力の安定した20例,27眼について近方視および遠方視の視機能および瞳孔径を測定し,対照の有水晶体眼(PE)10例,10眼の成績と比較検討した。調節力はPEでは加齢と共に低下したがPPの偽調節幅は2.94±1.12(D)で年齢差は認められなかった。遠方視における両群の瞳孔径に有意差はなかった。近方視では両群とも縮瞳したが両者に有意差は認められない。またPPおよびPEの瞳孔径縮小率はそれぞれ11.87±6.92%,11.82±5.00%で両者の間に有意差を認めなかった。これらより偽水晶体眼にみられる偽調節は縮瞳のみの関与は少ないと考察した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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