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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科49巻6号

1995年06月発行

文献概要

特集 第48回日本臨床眼科学会講演集(4) 学会原著

線維柱帯切除術後早期の眼圧上昇に対する組織プラスミノーゲンアクチベーターの効果

著者: 長坂智子1 安藤文隆1 古田寿男1 黒田ゆかり1 古井緑1 石浜秀徳1

所属機関: 1国立名古屋病院眼科

ページ範囲:P.1201 - P.1205

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 線維柱帯切除術後早期に眼圧上昇をきたした症例に対し,組織プラスミノーゲンアクチベーター(tPA)25μgを前房内に注入し,その効果を検討した。症例は当院にて手術した19例20眼で,注入前後の眼圧,術後tPA注入までの日数,tPA使用眼と非使用眼の経過について検討した。注入前後の平均眼圧は注入前が32.9mmHg,注入翌日が17.4mmHg,翌々日が17.0mmHgであった。注入翌日の眼圧が20mmHg以下を有効とすると,術後10日以内にtPAを注入した症例では有効率が約77%であったのに対し,11日以降では約17%と著しく低下し,10日以内にて十分有効と思われた。また,2週間後,3か月後ともに眼球圧迫などで様子をみた症例より経過は良好で,術後早期の濾過胞閉鎖を回避し得る有効な方法と思われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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