icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科49巻6号

1995年06月発行

臨床報告

虹彩の赤外血管造影

著者: 丸山泰弘1 亀井陽1 岸章治1 木村保孝1

所属機関: 1群馬大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1248 - P.1254

文献概要

 走査型レーザー検眼鏡(SLO)を用いてインドシアニングリーン(ICG)とフルオレセインナトリウム(フルオレセイン)で虹彩の造影を行った。対象は正常群5眼,増殖糖尿病網膜症13眼,落屑症候群3眼である。12眼に虹彩ルベオーシスがあった。
 虹彩の正常血管は,フルオレセインでは虹彩実質の薄い部分のみで造影された。一方ICGでは,放射状血管と小虹彩血管輪が造影された。虹彩ルベオーシス例では,フルオレセインでは,虹彩表面に露出した新生血管のみが造影され,造影の初期から新生血管から色素の漏出があった。ICGでは,新生血管の虹彩実質内部分を含めて全走行が造影され,正常血管との接続部まで描出された。ICGでは,全例で螢光色素の新生血管からの漏出はなかった。このため血管像は造影後期まで鮮明であった。
 SLOを用いたICG虹彩造影では,褐色虹彩でも正常血管を含む虹彩実質内の血管が造影でき,血管病変の検索に有用であると結論される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら