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硝子体出血を発症した網膜色素線条症の1症例
著者: 青柳康二1 清水良1
所属機関: 1群馬大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.1303 - P.1308
文献購入ページに移動 網膜色素線条症の黄斑部合併症は限局性で,周辺部網膜や硝子体への進展は通常みられない。筆者らは網膜色素線条症の経過中に硝子体出血を発症した稀な症例を経験した。症例は62歳,男子。初診時視力は右0.04,左0.6。両眼底に網膜色素線条があり,梨地眼底を呈していた。右眼の黄斑部には網膜下新生血管膜に起因する線維増殖膜と,出血,浮腫があった。初診から約1年半後に,右眼に硝子体出血が生じ,眼底は透見不能となった。硝子体切除術を行ったところ,黄色化した網膜下出血と網膜色素上皮裂孔があった。術後視力は手動弁であった。この硝子体出血は,網膜下あるいは網膜色素上皮下の出血から進展したものであると判断した。
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