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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科49巻7号

1995年07月発行

文献概要

臨床報告

線維柱帯切除術後の持続性低眼圧と視力低下の関連因子

著者: 国松志保1 堀純子1 角田典哉2 新家真1

所属機関: 1東京大学医学部付属病院分院眼科 2東京大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1323 - P.1327

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 線維柱帯切除術後の低眼圧症は視力低下を含む種々の合併症をきたす場合がある。術後低眼圧の発症と視力低下に関連する術前,術中および術後因子を検討した。
 対象は,フルオロウラシル(5—fluorouracil)を用いた術後観察期間2年間の線維柱帯切除術を施行された開放隅角緑内障98例120眼である。長期低眼圧(5mmHg以下,6か月以上)は14眼(120/0)で発生し,長期低眼圧群で非低眼圧群に比べ有意に白内障進行によらない視力低下が多かった(p<0.05)。術後2週目の平均眼圧が5mmHg未満になると,長期低眼圧となる確率が飛躍的に高くなることがわかり,5mmHgが線維柱帯切除術後早期の眼圧値として,ひとつの予後因子になると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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