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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科49巻7号

1995年07月発行

文献概要

臨床報告

Paradoxic levator inhibitionの1例

著者: 河合礼子1 富田香1 田中靖彦1 藤池佳子1 村上環1 関亨2 山岸敬幸2 今田牧子2 古庄友巳2

所属機関: 1慶應義塾大学医学部眼科学教室 2慶應義塾大学医学部小児科学教室

ページ範囲:P.1347 - P.1350

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 3歳男児のparadoxic levator inhibitionの1例を経験した。生後から,左眼内転時に左眼の眼瞼下垂が生じるが,本症例では,上方視時には左眼が過剰上転するという異常連合運動を伴っていた。また全身的にはファロー四徴症を合併していた。患児は,指標固視時には眼瞼下垂を生じることは少なく,視力,両眼視の発達は良好であった。また成長につれて眼瞼下垂の頻度は減少しており今後も改善していくことが期待される。
 Paradoxic levator inhibitionの発生機序は不明であるが,胎生期に何らかの因子が働き,眼瞼運動や眼球運動を支配する神経の中枢性の異常によると椎察された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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