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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科49巻7号

1995年07月発行

文献概要

臨床報告

眼内に浸潤した眼瞼基底細胞癌の1例

著者: 吉田茂生1 吉川洋1 本松薫1 栗原かすみ1 濱本美佳1 藤澤公彦1 村田敏規1 大西克尚1 清水信之2 永江祥之介2

所属機関: 1九州大学医学部眼科学教室 2九州大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.1351 - P.1354

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 眼球内に浸潤した眼瞼原発の基底細胞癌の1例を経験した。症例は79歳の女性で,左下眼瞼の外眼角付近に発生した腫瘍に対し腫瘍切除術を2回施行された後,眼窩内に腫瘍が浸潤し球後に達したため,眼窩内容除去術が施行された。初回手術時の病理診断は,充実型と線維増殖型の2種類の胞巣型が混在した基底細胞癌であった。3回目の手術時に摘出された眼球の組織標本では,腫瘍は強角膜輪部から上強膜静脈,房水静脈,シュレム管,線維柱帯を経由して毛様体に浸潤していた。
 基底細胞癌は一般に進行が緩徐で転移も稀な予後良好な腫瘍であるが,線維増殖型などの分化度が低い腫瘍であれば浸潤転移の可能性がある。初回手術時に完全に摘出することが重要である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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