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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科49巻8号

1995年08月発行

連載 眼の組織・病理アトラス・106

Schnabel視神経空洞状変性

著者: 久保田敏昭1 猪俣孟1

所属機関: 1九州大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1390 - P.1391

文献概要

 Schnabel視神経空洞状変性とはSchnabelが1892年に最初に記載した視神経萎縮の特殊な病理組織像である。したがって,これは病理組織学的病名であって,臨床病名ではない。この病変の特徴は視神経乳頭部から前部視神経の範囲での空洞状の変性像である。空洞状になっている部は軸索の消失を伴う急性虚血性の視神経乳頭壊死(図1)で,その部位にヒアルロン酸が貯留している(図2)。
 Schnabelは,猿を用いた実験で急性緑内障の視神経に空洞状変性が起こる機序を明らかにした。つまり,急激な眼内圧上昇によって視神経の血流が顕著に減少して急性の虚血性視神経乳頭壊死が起こり,同時に内境界膜が破綻すると,圧勾配によって硝子体中のヒアルロン酸が軸索が消失した壊死部(図3)に入ってくる。壊死部におけるヒアルロン酸の貯留はアルシアンブルーで染色される貯留物(図4)がヒアルロニダーゼで前処置した後には染まらなくなることで証明される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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