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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科49巻8号

1995年08月発行

文献概要

臨床報告

経皮的眼窩内脂肪除去術を行った甲状腺眼症の1例

著者: 平木泰典1 水川憲一1 木村久1 田淵昭雄1 原田種一2

所属機関: 1川崎医科大学眼科学教室 2川崎医科大学内分泌外科学教室

ページ範囲:P.1447 - P.1451

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 著明な眼球突出と眼球運動制限および高眼圧症を有する甲状腺眼症の44歳の男性に対し,放射線照射およびステロイドパルス療法を行った後,経皮的眼窩内脂肪除去術を行った。術後,眼球突出度はほとんど変化しなかったが,眼圧の低下と眼球運動の改善を認めた。本手術は眼窩骨壁開窓術と比較して,手術侵襲が小さく,眼位ずれおよび眼球運動障害が少ないため,外眼筋よりも眼窩脂肪織に変化が強く,眼球突出や高眼圧症が主体で,視神経症や複視を認めない甲状腺眼症に有効な方法と考えられた。しかし,減圧量が少ないこと,涙腺,外眼筋および眼窩内神経の損傷の危険性や,手術時期の決定などについては問題点があると思われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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