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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科49巻8号

1995年08月発行

文献概要

臨床報告

マレイン酸チモロール点眼で喘息発作が誘発されたと思われる4例

著者: 広兼賢治1 木内良明1 三嶋弘1 稲水惇2 長谷部治之3 藤武俊治4 塚本秀利4

所属機関: 1広島大学医学部眼科学教室 2広島大学医学部第2内科学教室 3県立広島病院眼科 4広島市立安佐市民病院眼科

ページ範囲:P.1469 - P.1475

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 マレイン酸チモロールの点眼後に気管支喘息発作が発症した4例を経験した。1例は,6年前の0.5%チモロールの点眼では問題がなかったが,点眼を中断した。4年前に喘息が診断された。今回0.25%のチモロールを1滴点眼した直後に喘息の大発作が生じた。チモロール点眼試験で喘息が誘発された。第2例では,チモロール点眼などによる緑内障治療を16年間継続したのちに喘息発作が頻発するようになった。点眼中止により喘息発作は消失した。第3例では,白内障手術後の高眼圧に対し0.5%チモロールを1滴点眼した後に喘息発作が生じた。第4例では,緑内障に対してチモロール点眼を15か月行ったのち喘息大発作が発症した。点眼中止後には喘息発作は生じていない。第1例と第2例のベタキソロール点眼では,喘息の誘発はなく,呼吸器機能にも異常は生じなかった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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