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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科49巻9号

1995年09月発行

連載 眼の組織・病理アトラス・107

フォークト・小柳・原田病の皮膚病変

著者: 坂本泰二1 猪俣孟1

所属機関: 1九州大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1510 - P.1511

文献概要

 フォークト・小柳・原田病は両眼性の汎ぶどう膜炎である。原因は不明であるが,ぶどう膜の炎症はメラノサイトに対する免疫反応が関係している。眼以外に,髄膜炎症状,聴覚症状,皮膚症状などの眼外症状を伴う特徴がある。それらはいずれも発生過程において神経堤由来のメラノサイトが分布している部位である。
 フォークト・小柳・原田病の眼症状の特徴は前眼部の前房混濁と眼底の滲出性網膜剥離である(図1)。皮膚病変は一般に眼症状の発症から数か月後に出現し,紅斑,白斑,脱毛,白髪化を生じる(図2)。全身の各部に現れるが,胸部や腰部に現れることが多い。初期には掻痒感を伴った皮膚紅斑が出現するが,患者はそれに気づかないことが多い。回復とともに皮膚白斑になる。皮膚白斑はフォークト・小柳・原田病に特徴的な眼外症状ではあるが,必発ではない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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