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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科49巻9号

1995年09月発行

文献概要

臨床報告

エキシマレーザー角膜切除術後上皮下混濁の定量化の試み

著者: 征矢耕一1 小幡博人1 天野史郎1 宮田和典2 水流忠彦3

所属機関: 1関東逓信病院眼科 2東京大学医学部眼科学教室 3東京大学医学部附属病院角膜移植部

ページ範囲:P.1524 - P.1528

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 エキシマレーザー角膜切除術後に生じる上皮下混濁の臨床的評価は,これまで定性的な方法がとられてきたが,その予防および治療の進歩のためには,定量的な測定法の確立が不可欠である。今回筆者らはシャインプルーク原理にもとづく前眼部撮影と散乱光強度測定を行う装置を用いて,エキシマレーザー角膜切除術後上皮下混濁の定量化を試みた。
 対象の家兎8匹16眼にエキシマレーザー治療的角膜切除術を行った。術前および術後2,4,8,12週において前眼部撮影および散乱光強度測定を行い,上皮下混濁の定量化を試みた。また同時に細隙灯顕微鏡観察による定性的なFantes分類を行い,両者の相関を検討した。
 散乱光強度は術前78.3(n=6),術後2,4,8,12週はそれぞれ164.1(n=12),188.2(n=11),156.3(n=8),138.8(n=8)であった。同様にFantes分類値は術前0,術後1.13,1.36,1.05,0.85と変化した。散乱光強度測定値とFantes分類値は比較的良好な相関関係を示した。
 シャインプルーク原理の前眼部撮影および散乱光強度測定を用いることにより,エキシマレーザー角膜切除術後の上皮下混濁を定量的に測定できる可能性が示唆され,今後の臨床応用も可能と考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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