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臨床報告
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急性期の網膜中心静脈閉塞症(CRVO)19眼にインドシアニングリーン(ICG)赤外螢光造影を施行した。19眼中9眼で造影後期に視神経乳頭内に過螢光があった。このうち4眼はICG漏出であり,漏出部位は網膜中心静脈またはその付近の静脈系血管であった。5眼では,静脈の環流障害のために螢光色素が残留していることが疑われた。ICG漏出のあった4眼の視力の転帰は不良であり,フルオレセイン螢光造影からも虚血型CRVOであった。ICG漏出の起こる機序としては,網膜静脈内圧の上昇と網膜の虚血が主因と考えられた。ICG漏出はCRVOの重症度との相関が高く,ICG赤外螢光造影を併用することで,より正確な本症の病態の把握が可能であると結論される。
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