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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科49巻9号

1995年09月発行

文献概要

臨床報告

慢性関節リウマチに合併した多発性後極部網膜色素上皮症の1例

著者: 坂本真紀1 坂井裕一郎1 藤澤公彦1 石橋達朗1 大西克尚1 久保茂2 児玉保子3

所属機関: 1九州大学医学部眼科学教室 2九州大学医学部第三内科学教室 3林眼科病院

ページ範囲:P.1581 - P.1585

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 慢性関節リウマチに合併した多発性後極部網膜色素上皮症の1例を報告した。症例は46歳男性で,1990年に右眼の視力低下が,1993年9月に左眼の視力低下および変視症が出現,近医を経て九州大学眼科に入院した。眼底には,両眼に黄白色の網膜下滲出性病変と黄斑部の変性が認められ,左眼下方には胞状の網膜剥離が見られた。螢光眼底造影で滲出性病変の部位に一致して螢光色素が漏出した。両眼の多発性後極部網膜色素上皮症と診断した。螢光色素の漏出部に光凝固を行い,経過は良好であった。1989元年から多関節痛があったが,入院後症状が悪化した。リウマトイド因子の陽性化,両近位指節関節の腫脹が出現し,アメリカリウマチ協会の基準7項目のうち6項目を満たして慢性関節リウマチと診断された。経過中,血圧,腎機能は正常,ステロイド治療も受けていなかった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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