文献詳細
文献概要
臨床實驗
多形滲出性紅斑に併發せる結膜疾患の成立機轉に就て
著者: 上野弘1 後藤忠子1
所属機関: 1京府醫大女專部眼科
ページ範囲:P.629 - P.631
文献購入ページに移動緒論
多形滲出性紅斑(以下「多滲紅」と略す)に結膜疾患の併發する事は,皮膚科領域では餘り稀でない樣に言われているし,歐米に於てもRieglerを始として多くの報告例を見るが,本邦に於ける眼科領域の報告例は僅に10餘例に過ぎない。此眼合併症の成立機轉に關しては種々論議せられているが,決定的のものはない。他方,本邦に於ては之が病理組織學的検索は安武の1例を見るのみで歐米に於ても少く,Hankeの記載が殆んど唯一の貴重なるものと睹做されあるかの樣な現況である。私共は最近本症1の例に就て,之が病理組織學的検査を行つた結果。「多滲紅」の本態論が近年幾多の變遷を見つゝあると同樣に,其眼合併症の成立機轉に就ても亦,新なる見地より論ず可きであろうと考え得る根據を得たので,茲に報告する。
多形滲出性紅斑(以下「多滲紅」と略す)に結膜疾患の併發する事は,皮膚科領域では餘り稀でない樣に言われているし,歐米に於てもRieglerを始として多くの報告例を見るが,本邦に於ける眼科領域の報告例は僅に10餘例に過ぎない。此眼合併症の成立機轉に關しては種々論議せられているが,決定的のものはない。他方,本邦に於ては之が病理組織學的検索は安武の1例を見るのみで歐米に於ても少く,Hankeの記載が殆んど唯一の貴重なるものと睹做されあるかの樣な現況である。私共は最近本症1の例に就て,之が病理組織學的検査を行つた結果。「多滲紅」の本態論が近年幾多の變遷を見つゝあると同樣に,其眼合併症の成立機轉に就ても亦,新なる見地より論ず可きであろうと考え得る根據を得たので,茲に報告する。
掲載誌情報