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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科5巻10号

1951年10月発行

文献概要

臨床實驗

角膜層間入墨について

著者: 佐藤勉1

所属機関: 1順天堂醫科大學

ページ範囲:P.669 - P.669

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 瞳孔閉鎖あるいは續發白内障等の失明眼に美容上の目的で瞳孔を作る事を望まれる事がある。視力を恢復する望がない場合には,角膜に入墨する事が1つの方法である。しかし,入墨針による點墨では脱色しやすい。注射針を用いて,角膜間質内に墨液を注射すれば脱落しにくいが,その代りに,墨を正しく豫定の位置に入れる事がむづかしい。自分はこういう場合に角膜層間剥離(1)を應用する事にしている。
 術式はこれから作ろうと思う瞳孔の,上縁の角膜の表層に,曲槍状刀で傷を作る。この傷は,上皮及びボーマン氏膜を破り,間質を瞳孔の中心にむけて進み,デスメ氏膜より深くを傷つけないものである。(第1圖)傷口がスパーテルの挿入に充分なだけの大きさとなつたならば,刀を抜き,この傷よリスパーテルを入れ,間質内にさし込む。(第2圖)墨を入れたいと思うだけの廣さおよび形に層間を剥離する。スパーテルは幅1.0mm—0.8mm程のものが使いよい。第2圖に示したようにゆるく曲つたスパーテルを(反つているのではない)作つておくと便利である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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