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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科5巻10号

1951年10月発行

文献概要

談話室

緑内障手術の歴史

著者: 山賀勇

所属機関:

ページ範囲:P.683 - P.685

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 ギリシヤ時代の後期アレタサンドリヤ時代になると,眼穿刺により治癒するものと治癒しない別の瞳孔の溷濁があることが知られていた。前者は即ち白内障(Hypo-chyma又はSuffusio)で後者は緑内障(Glaucoma)である。而して白内障は水晶體の前方に病的體液が集まつたものであると解し,緑内障は水晶體それ自身の病變であろうと考えられ,當時は水晶體そのものに視機能があるとしていたので,とにかく白内障以外の失明で特に瞳孔に變化のある不治の疾患を凡てこれに入れてしまつたものの如くである。緑内障のGlaucomaの意はMee-rgrunで瞳孔領の緑色に見えることより出た。
 かくの如くギリシヤ時代には緑内障のことは未だ判然と理解されないが,ローマのGalenusは眼膜の緊張によつて激痛を生ずることを述べている。又アラビヤ時代になると明かに緑内障のことが知られ,Ali ben Isaは水晶體が乾燥すると眼は青くなり視力が障害されると述べている。その後中世ヨーロッパには新説なく18世紀の初めに及んだ。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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