文献詳細
臨床實驗
文献概要
緒言
炎症の概念は今尚混屯としていて明瞭に把握され難いものである。勿論臨床的に病理解剖學的に或る範疇を明確に限定し,此れを獨立した疾患として取扱い得るとしても尚Ricker,Thoma兩氏の主張する如くに疑いを挿挾む餘地が殘されているのである。Celsusは炎症の概念としてRubor,Tumor,Calor,Dolorの4主徴を擧げ,Galenos (129-201)は此れにFunctio laesaを加えたのであるが此れは炎症の概念が具體性を有した始まりである。其後Herman,Bodrhaave (1708)は循環障碍を,Carl Rokitansky (1846)は滲出を,Rudolf Virchow(1871)は組織の増殖を,J.Cehnheim (1861)は白血球の血管外遊出を炎症の概念に加え,Neumann,Marchand,Lubarsch, Asehoffは目的論的に炎症を局所的防禦反應と考えた。從つて今日吾々の理解し得る炎症の概念は,Marchand, Lubarsch,緖方諸氏の見解に從えば炎症とは組織に於ける循環障碍,滲出,及び遊離細胞の増殖,浸潤を伴う局所的防禦反應であると要約され得るのである。
炎症の概念は今尚混屯としていて明瞭に把握され難いものである。勿論臨床的に病理解剖學的に或る範疇を明確に限定し,此れを獨立した疾患として取扱い得るとしても尚Ricker,Thoma兩氏の主張する如くに疑いを挿挾む餘地が殘されているのである。Celsusは炎症の概念としてRubor,Tumor,Calor,Dolorの4主徴を擧げ,Galenos (129-201)は此れにFunctio laesaを加えたのであるが此れは炎症の概念が具體性を有した始まりである。其後Herman,Bodrhaave (1708)は循環障碍を,Carl Rokitansky (1846)は滲出を,Rudolf Virchow(1871)は組織の増殖を,J.Cehnheim (1861)は白血球の血管外遊出を炎症の概念に加え,Neumann,Marchand,Lubarsch, Asehoffは目的論的に炎症を局所的防禦反應と考えた。從つて今日吾々の理解し得る炎症の概念は,Marchand, Lubarsch,緖方諸氏の見解に從えば炎症とは組織に於ける循環障碍,滲出,及び遊離細胞の増殖,浸潤を伴う局所的防禦反應であると要約され得るのである。
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