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臨床實驗
「アラヒノダクチリー」の家系並に症例
著者: 八十一三1
所属機関: 1兵庫醫大眼科
ページ範囲:P.263 - P.265
文献購入ページに移動 アラヒノダクチリーは1896年marfanにより初めてDolicho stenomelieとして發表され,先天的に中胚葉性の異常素因,發達異常を示す系統的獨立疾患であり,しばしば家族的に遺傳例を證明出來る。Weveはかかる系統疾患を「先天中胚葉性榮養障碍マルフアン型」と命名した。この疾患はまれな疾患とは云い得ぬが,その家族例は案外少く,Hchard, Dubois, Thaden,等は同胞例を見,Weve, Frontali, Ormond等は親子に直接遺傳した例を報告したが,我が國では早川宏學が4世代にわたつて,更に林,山内,宮城は親子に直接遺傳した例を報告したにすぎない。私は「アラヒノグクチリー」の3家系即ちA家系は3世代5例に現われ,B家系親子2世代2例に遺傳した例と,單獨例とを得,何れも水晶體偏位症あるいは水晶體脱臼を合併し,この内2例に水晶體摘出を行つたので報告する。
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