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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科5巻6号

1951年06月発行

文献概要

臨床實驗

わが國の球後視束炎と多發腦脊髄硬化症の問題

著者: 桑島治三郞1

所属機関: 1東北大分院眼科

ページ範囲:P.383 - P.386

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 球後視束炎が多發腦脊髓硬化症の最も重要にしてかつ頻發する症状であると同時に,後者が前者の最も重要にしてかつ頻發する原因であり(Behr),兩者はgleichb-edeutendの關係にあることは,歐米,特にドイツ學派の強調している處である。然るにわが國にあつては,球後視束炎は多數あるが,多發硬化症は古くから殆どないとされ,この東西の差は民族の特殊性によるものと定説化されている。いわゆるわが國獨特の球後視束炎について,古來,その原因論がやかましく論じられて來た理由はこゝに宿されている。
 然し單に用語上の論理から見てもgleichbedeutendの兩疾患の中,一方があるということは同時に他方もまた當然その存在が肯定されなければならない筈である。もし事實がそうでないならば,曾て伊東の指摘した如く欧米の定説が誤つているか,わが國のそれが誤つているか,いずれかでなければならない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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