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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科5巻8号

1951年08月発行

文献概要

外文抄録

最近の開明手術

著者: 森島生1

所属機関: 1

ページ範囲:P.534 - P.535

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 最近の新開明手術が醫學誌上に大分と注意を惹いてきた。それには眼科醫の證明がついているからだ。その事は角膜移植以上の事柄である。眼球上に出來た薄膜が白翳である盲に關する限り誠に此上もない解答であると多くの専門外科醫は信じている。此所謂眼球上の薄膜とは實際にそれを科學的に謂うなら,それは眼球の表面の膜即ち角膜の薄膜樣に見えるものである。それは眼の外側にあるのである。屡々それを普通人は白内障として解されているものである。然し白内障は眼球の表面でなく眼球内部の不透明なものをいうのである。此2つの不透明型に區別するのは専門家には極めて簡單なことである。
 正常には角膜は眼球前面にあつて清き透明の組織であり,それは眼球の後方は光線を通過させる窓の樣に作用するのである。此物は全身中で2つの血管の無い部分であり非常に感受性があつて解剤學上最も冷たいものの1つである。それは眼の白色の部分乃ち鞏膜に續いており同樣な構造を有している。之等の膜が一緒になつて薄くはあるが其中に精緻なる内容を守るために丈夫な保護包として役立つている外衣を形成しているのである。眼球それ自身は頭蓋内の比較的大きな骨の開孔部に懸垂されており直脛1インチ程の小さな球形のゴム毬の如くあるものである。後方は視神經によつて腦と連接し,其神経は細い莖乃ち枝の外見を爲している。其球内には虹彩があり之れが自動的に寫眞のシヤツターであつて眼に各人固有の色彩を與えている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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