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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科50巻1号

1996年01月発行

文献概要

臨床報告

ホモシスチン尿症に伴う網膜剥離

著者: 野田徹1 阿部聡1 安藤祐子1 清水敬一郎1 谷瑞子1 根岸一乃2 秋山健一3

所属機関: 1国立東京第二病院眼科,臨床研究部 2国立埼玉病院眼科 3秋山眼科

ページ範囲:P.23 - P.27

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 両眼の水晶体亜脱臼に対する精査を目的に来院し,その臨床所見からホモシスチン尿症と診断され,さらに経過観察中に網膜剥離を生じた症例を経験した。症例は21歳男性で,初診時すでに知能障害,水晶体脱臼,骨格異常を含めた本症に典型的な諸症状を認め,血中,尿中のホモシスチンの定量により診断が確定された。食事療法,ベタイン療法により全身状態が良好にコントロールされていることを確認後,全身麻酔下に網膜剥離手術を行ったが,難治で,倒像鏡式レーザーによる光凝固を含めて,網膜の復位を得るまでに5回の手術を要した。本症の網膜剥離は,マルファン症候群に類似した臨床的特徴を有していたが,全身合併症,知能障害などのため,さらに検査,治療上も困難を伴った。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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