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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科50巻1号

1996年01月発行

臨床報告

CTを用いたバセドウ病患者での外眼筋計測

著者: 三浦道子1 大塚賢二1 橋本雅人1

所属機関: 1札幌医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.35 - P.39

文献概要

 内科的にバセドウ病と診断された35例の患者に対し,CTによる外眼筋の冠状断面撮影を行い,外眼筋肥厚について検討した。Reid base lineに対し90±10°に設定した冠状断面像で,眼窩先端部から眼窩前方までの4つのスライス面における上直筋,内直筋,下直筋の厚さを計測した。バセドウ病患者におけるこの3筋の平均肥厚度は,上直筋で3.2±1.0mm (平均±SD),内直筋で3.4±0.8mm,下直筋で4.1±1.3mmであった。いずれの場合も,正常者より肥厚していたが,下直筋における肥厚が顕著であった。また,外眼筋肥厚は眼窩前方より後方にて著明に認められ,上転障害と眼窩後方の下直筋肥厚との間に相関を認めた。眼窩先端部より眼窩前方までの筋肥厚を計測できる冠状断面撮影は,甲状腺性眼症の臨床的評価において簡便かつ有用な検査であると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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