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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科50巻1号

1996年01月発行

臨床報告

AIDS患者におけるCD4+,CD8+Tリンパ球数とサイトメガロウイルス網膜炎との関係

著者: 沖波聡1

所属機関: 1佐賀医科大学眼科学教室 2カリフォルニア大学サンフランシスコ校眼科

ページ範囲:P.49 - P.52

文献概要

 眼底検査の前後8週間以内に末梢血CD4+Tリンパ球数が50/mm3以下であったサンフランシスコ総合病院眼科のAIDS患者52例を対象として,AIDS患者でのサイトメガロウイルス(CMV)網膜炎と末梢血CD4+Tリンパ球数およびCD8+Tリンパ球数の減少との関係について検討した。30例にCMV網膜炎がみられた。CMV網膜炎の有無でCD8+Tリンパ球数に差はみられなかった。CD8+Tリンパ球数はCMV網膜炎がzone 1(中心窩から3,000μmまたは視神経乳頭辺縁から1,500μmの範囲)に及んでいた14例では,及んでいなかった13例よりも減少しており,前者では9例(64%),後者では2例(15%)が220/mm3未満であった。CD4+Tリンパ球数が50/mm3以下でCD8+Tリンパ球数が220/mm3未満の症例ではzone 1にCMV網膜炎が及んでいることが予測され,しかもzone 1に病変があると視力予後が不良であるので,眼底検査を頻回に行う必要がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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