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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科50巻1号

1996年01月発行

文献概要

臨床報告 カラー臨床報告

乳幼児3例の乳頭周囲ぶどう腫

著者: 田下亜佐子1 鈴木純一1 斉藤哲哉1 関根伸子1 鈴木治之1 中川喬1

所属機関: 1札幌医科大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.61 - P.65

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 乳幼児に認められた乳頭周囲ぶどう腫の3症例を報告した。症例1は,3か月女児で,右眼に乳頭周囲の網脈絡膜萎縮と浅い陥凹がみられた。左眼には小眼球と水晶体後面の白色塊の付着があり,第一次硝子体過形成遺残と考えられた。右眼の中心窩反射は正常で,視力も0.6(矯正不能)と良好であったが,左視力は0であった。症例2は,3歳男児で,左眼に深い陥凹を伴い,陥凹底の視神経乳頭は正常で,典型的な乳頭周囲ぶどう腫と考えられた。検眼鏡的に,黄斑部はみられず視力は0.01と不良だった。患眼,他眼ともに合併症はなかった。症例3は,3歳男児で,右小眼球と限局性の後嚢下白内障があり,そこに,毛様体突起の牽引を伴い硝子体中に索状組織がのびていた。右眼底は網膜全剥離となっていたが,乳頭周囲の深い陥凹がみられ,網膜血管の走行はほぼ正常であった。他眼は正常であった。手術はせずに経過観察しているが,右白内障が進行し,網膜剥離の状態に変化はない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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