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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科50巻1号

1996年01月発行

文献概要

臨床報告

急速なインスリン治療により悪化した汎網膜光凝固後の糖尿病網膜症

著者: 浜田幸子1 千原悦夫2

所属機関: 1浜田眼科 2千原眼科

ページ範囲:P.69 - P.72

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 汎網膜光凝固後,網膜症は一応安定していたが,血糖コントロールが不良となった,インスリン非依存型糖尿病(NIDDM)患者(69歳,男性)の1例に,インスリン治療を開始した。開始26日後(HbA1cは11.3%から8.6%に低下),右眼黄斑部に滲出性網膜剥離が現れ,視力は0.7から0.15に低下した。治療開始70日後には(HbA1c7.9〜8.1%),左眼黄斑部にも網膜剥離を認め,視力は1.0から0.2に低下した。両眼黄斑部はgrid patternの光凝固で,視力は中等度に回復し0.5となった。汎網膜光凝固後,網膜症が安定していたにもかかわらず,突然急速な視力低下,黄斑部変化が認められる場合,血糖コントロールを詳細に検討する必要がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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