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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科50巻1号

1996年01月発行

文献概要

臨床報告

二重プルキニェ眼位計測法で得た眼球圧迫試験における両眼の挙動

著者: 長谷部聡1 大月洋1 岡野正樹1 田所康徳1

所属機関: 1岡山大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.73 - P.77

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 眼球位置覚の由来を明らかにするため,プルキニェ像による眼位測定法で,健常者6名について眼球圧迫試験による両眼球の挙動を調べた。①固視眼を鼻側へ圧迫しても固視眼に眼位変化はみられず,逆に遮閉した僚眼が平均5.2°内斜した。②遮閉眼を鼻側へ圧迫すると遮閉眼は平均4.2°内斜したが,僚眼には眼位変化はみられなかった。前者では,中枢神経からの運動命令が変化したため僚眼が内斜したと考えられるが,結果的にいずれの眼球を圧迫しても得られる眼位は変わらず,求心性信号は差がないと結論される。にもかかわらず前者でのみ視空間覚の偏位が得られることから,眼球位置覚が主に中枢神経系からの運動命令(遠心性コピー)に由来するとするBrigemanの主張が支持される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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