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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科50巻10号

1996年10月発行

文献概要

連載 眼の組織・病理アトラス・120

脂漏性角化症

著者: 猪俣孟1

所属機関: 1九州大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1656 - P.1657

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 脂漏性角化症seborrheic keratosisは高齢者の顔面や眼瞼皮膚に生じる上皮性腫瘍状増殖である。鮮明な境界をもつ限局性で半球状に隆起した疣状の褐色腫瘤で(図1),基底細胞乳頭腫basal cellpapillomaあるいは老人性疣贅senile verrucaとも呼ばれる。病巣の表面は滑らかなこともあるが,多くは疣贅状に角化し,軟らかくてもろい。
 組織学的には,基底細胞様細胞が乳頭腫状に増殖し,扁平上皮(有棘)細胞の増生と角化を伴って,仮性角質嚢腫pseudohorn cystsを含んでいる(図2)。脂漏性角化症の組織形態は,角化型,表皮肥厚型,腺様型の3種類に分けられるが,同一腫瘤内に3種類の形態が混在することが多い。共通してみられる特徴は,角化,表皮肥厚および乳頭腫症である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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