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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科50巻10号

1996年10月発行

臨床報告

全脈絡膜萎縮の1家系

著者: 徳島忠弘1 堀口正之2

所属機関: 1信州大学医学部眼科学教室 2名古屋大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1665 - P.1668

文献概要

 全脈絡膜萎縮の1家系を報告した。症例は25歳男性であり,右眼の視野異常を主訴に来院した。矯正視力は右0.7,左1.2であり,視野は両眼とも輪状暗点を示し,フラッシュ網膜電図は消失型を示し,重度の網膜障害が示唆された。眼底所見は全脈絡膜萎縮に特徴的なものであった。すなわち,脈絡膜の萎縮は視神経乳頭から周辺部にかけてかなりの拡がりをみせたが,黄斑部では島状に残されていた。症例の母親(49歳)は眼底所見にて両眼とも後極部に脱色素斑があり,周辺部にかけて色素沈着がある以外は異常所見がなかった。これらの臨床所見から,本症例は全脈絡膜萎縮であり,本症例の母親はその保因者であると推測された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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