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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科50巻10号

1996年10月発行

臨床報告

インドシアニングリーン赤外螢光眼底造影を用いた球後の静脈の観察

著者: 大野京子1 森嶋直人1 山下悟1 伊藤睦子1 所敬1 中川恒明2

所属機関: 1東京医科歯科大学医学部眼科学教室 2東京医科歯科大学医学部放射線科学教室

ページ範囲:P.1710 - P.1715

文献概要

 インドシアニングリーン赤外螢光眼底造影(IA)を用いて17例20眼の強度近視眼において,球後の静脈と思われる血管を観察することができた。これらの静脈はいずれも黄斑部付近から黄斑部の耳側で眼球のすぐ後方を上下に直線状に走行しており,球後の動脈に見られるような蛇行はなかった。さらにヘリカルCTを用いたCT angiographyにより,今回観察された静脈は,下眼静脈と上眼静脈の主要な側副路の1つであるlateral collateral veinであることが確認された。IAにより,強度近視眼においては,菲薄化した強膜を通して球後の静脈を観察できる可能性があることが示された。また,強度近視眼ではIA所見の読影に際し,球後の静脈の陰影を脈絡膜の過螢光と見誤らないよう注意する必要があると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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