文献詳細
文献概要
特集 緑内障Today 巻頭言
緑内障の診療雑感
著者: 宇山昌延1
所属機関: 1関西医科大学眼科学教室
ページ範囲:P.8 - P.9
文献購入ページに移動 本年度の増刊号のテーマとして『緑内障』を取り上げた。眼病のほとんどが,失明に至るのは緑内障の合併による。緑内障についての臨床的知見は今日急速に進んでいるが,その知見について,大きい議論が続けられている。緑内障専門家の間に論争があるので,眼科一般医や緑内障を専門としていない他分野の専門家に,緑内障の現在の問題点を明らかにし,緑内障の理解を深めることは眼科臨床医にとってきわめて大切なことと思う。
緑内障といえば,以前は眼圧が高いことが診断基準の第1におかれていた。今日は眼圧が正常ないし低値を示す症例があり,正常眼圧緑内障(ないし低眼圧緑内障)とよばれ,「緑内障は高眼圧である」という従来の概念に大きい変更がある。その結果,眼圧測定の方法,各種の眼圧誘発試験の価値,トノグラフィーの意義などについて見解が変わりつつある。しかし,緑内障の薬物療法で問題になるのは高い眼圧で,「眼圧が何mmHg以下になった」など,緑内障において眼圧の意義はなお高いと思われる。
緑内障といえば,以前は眼圧が高いことが診断基準の第1におかれていた。今日は眼圧が正常ないし低値を示す症例があり,正常眼圧緑内障(ないし低眼圧緑内障)とよばれ,「緑内障は高眼圧である」という従来の概念に大きい変更がある。その結果,眼圧測定の方法,各種の眼圧誘発試験の価値,トノグラフィーの意義などについて見解が変わりつつある。しかし,緑内障の薬物療法で問題になるのは高い眼圧で,「眼圧が何mmHg以下になった」など,緑内障において眼圧の意義はなお高いと思われる。
掲載誌情報