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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科50巻11号

1996年10月発行

文献概要

特集 緑内障Today Ⅱ 確定診断を得るために

トノグラフィーの限界

著者: 岩崎直樹1

所属機関: 1大阪大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.44 - P.45

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はじめに
 今世紀初頭Schiφtzは,反復して圧入眼圧計で眼圧を測定すると眼圧は低下し,その割合は緑内障患者で少ないことを報告した。これを応用して房水流出量を測定しようとする試みが行われ,1950年にGrantら1)が今日のトノグラフィーの基礎的考え方を確立した。その後精力的に研究が行われ,房水流出率(C値)に関するさまざまな問題点も明らかとなってきた。
 現在ではトノグラフィーは房水の動態を研究する最も基本的な方法として確立しており,近年のさまざまな研究,たとえばPGFの房水動態に与える影響や,laser trabeculoplastyの効果判定などにも使用されている。しかし,実際の臨床の場で用いられることは徐々に減少しており,当科でも研究目的以外でトノグラフィーを行うことは最近5年間ではほとんど皆無であった。Shields2)の“Textbook of Glaucoma”にも,“(Tonography's) clinical usefulness in the detection and man—agement of glaucoma remains a matter ofcontroversy.”と述べられており,今回のテーマであるcontroversyの語が見える。このように,臨床の場で用いられることが少なくなった原因として以上のような要素が挙げられている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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