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隅角癒着解離術(GSL)+trabeculotomy ab interno(TAI)
著者: 青山裕美子1
所属機関: 1聖マリアンナ医科大学眼科学教室
ページ範囲:P.77 - P.79
文献購入ページに移動GSL+TAIとは
閉塞隅角緑内障では周辺虹彩前癒着(PAS)により房水排出路が傷害され,流出抵抗が増大することにより眼圧コントロールが不良となる。隅角癒着解離術(GSL)とは,直接的にそのPASの解離を行い主原因を解除することにより隅角を再開放する手術1,2)である。しかしながら,PASが接触ではなく癒着であるからには,虹彩の前面と線維柱帯とを接着する因子が程度の差こそあれ存在するはずであり,たとえPASの剥離を行ってもそれらが残存すれば房水流出抵抗を十分には改善できないものと考えられる。確かにGSLを施行しても手術成績が不良な症例が存在する。そこで,シュレム管および線維柱帯の房水排出路の再建を計る術式として,GSLの角膜創を用いて内方から線維柱帯を切開するtrabeculotomy ab interno(TAI)を付加することにより,手術成績の向上・安定を目的とした手法がGSL+TAIである。
閉塞隅角緑内障では周辺虹彩前癒着(PAS)により房水排出路が傷害され,流出抵抗が増大することにより眼圧コントロールが不良となる。隅角癒着解離術(GSL)とは,直接的にそのPASの解離を行い主原因を解除することにより隅角を再開放する手術1,2)である。しかしながら,PASが接触ではなく癒着であるからには,虹彩の前面と線維柱帯とを接着する因子が程度の差こそあれ存在するはずであり,たとえPASの剥離を行ってもそれらが残存すれば房水流出抵抗を十分には改善できないものと考えられる。確かにGSLを施行しても手術成績が不良な症例が存在する。そこで,シュレム管および線維柱帯の房水排出路の再建を計る術式として,GSLの角膜創を用いて内方から線維柱帯を切開するtrabeculotomy ab interno(TAI)を付加することにより,手術成績の向上・安定を目的とした手法がGSL+TAIである。
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