icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科50巻11号

1996年10月発行

文献概要

コラム

緑内障病型の変遷

著者: 布田龍佑1

所属機関: 1NTT九州病院眼科

ページ範囲:P.80 - P.80

文献購入ページに移動
 熊本大学眼科における緑内障特殊外来は,昭和22年,須田経宇教授の熊大眼科への赴任とともに始まり,現在に至るまで継続されている。おそらく日本においては,最も長い歴史を有する緑内障特殊外来の1つであろう。私自身は昭和42年に熊大眼科へ入局したので,須田教授からは2年間,直接のご指導を受けることができた。昭和51年,澤田 惇先生が宮崎医科大学へ赴任され,以来平成6年までの18年間,この特殊外来を預かったこととなる。こうして50年近きにわたり,綿々と一貫した指導,運営方針に沿って特殊外来が維持され続けている例も少ないと思われる。
 この緑内障特殊外来の特徴の1つとして,そのカルテが「特再カルテ」として,そのまま外来に保管されていることが挙げられる。天災,移転,カルテの集中管理化などさまざまな試練に耐え,「特再カルテ」はその登録第1号から,外来へ行きさえすれば,実際に見,資料として用いることができる。これは緑内障の診断,治療に関する調査を行う上では大きなメリットである。しかし,時代の流れには明らかに逆行しており,いずれカルテは集中管理,コンピュータ管理される運命にある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?