icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科50巻11号

1996年10月発行

文献概要

特集 緑内障Today Ⅳ レーザー治療の現況

レーザー虹彩切開術—気をつけるべき合併症

著者: 細谷比左志1

所属機関: 1大阪府立病院眼科

ページ範囲:P.113 - P.116

文献購入ページに移動
はじめに
 レーザー虹彩切開術は,レーザーを用いて非観血的に虹彩根部に穿孔創を作成し,前後房間に房水の交通路を形成して,瞳孔ブロックを解除する術式で,1973年にKhuriがアルゴンレーザーによる虹彩切開術を報告して以来,20年以上の歴史を時つ。初期の頃は決して満足できる成績ではなかったが,その後,レーザー装置の改良やAbra—ham虹彩切開用レンズの開発などにより,アルゴンレーザー虹彩切開術の成績は飛躍的に向上した。アルゴンレーザーによる虹彩の切開成功率はほぼ100%に近い。最近では,Nd-YAGレーザーを用いた虹彩切開術も行われるようになり普及している。
 レーザー虹彩切開術は,閉塞隅角緑内障や狭隅角眼などに対する安全かつ有効で,しかも簡便な治療法として広く使用されているが,最近になり,術後数年で発症する水疱性角膜症という重篤な合併症の報告が相次ぎ,その安全性につき,いま一変見直しておく必要がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?