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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科50巻11号

1996年10月発行

文献概要

特集 緑内障Today Ⅴ 緑内障手術をめぐるControversy

正常眼圧緑内障・2

著者: 徳岡覚1

所属機関: 1大阪医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.139 - P.142

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はじめに
 筆者は現在,正常眼圧緑内障(以下NTGと略)の定義として,一般に考えられているように①開放隅角であること,②ショック,大量失血などの既往のないこと,③日内変動を含めて眼圧が21mmHgを超えないこと,④緑内障性の乳頭陥凹と視野障害を認める,⑤頭蓋内疾患を否定できるという5つの条件を兼ね備えたものをNTGとしている。このような条件で規定されるNTGは単一疾患ではなく眼圧依存性の狭義のNTG,血管攣縮が原因となるもの,未知の因子(遺伝子異常や代謝異常,発生異常)による視神経乳頭の脆弱化によるものなど,いろいろのカテゴリーに分かれるのではないかと考えている。NTGのうち,視野の進行がみられるものに対しては主として薬物療法を行っている。現在の薬物療法だけでは確かに視野の進行を防ぐ効果に限界がある症例も認めるが,NTGのすべてが眼圧だけに依存して視野が悪化するのでないことと手術療法の合併症を考えると,手術は最後の手段であると考えている。ここでは図1に示すようにNTGを疑ってから最終的に手術を決断するまでにどのようなプロセスを経るべきかについて述べてみた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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