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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科50巻11号

1996年10月発行

特集 緑内障Today

Ⅴ 緑内障手術をめぐるControversy

原発閉塞隅角緑内障(虹彩切開術後)・1

著者: 三木弘彦1

所属機関: 1関西医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.157 - P.159

文献概要

はじめに
 1900年代の初期頃より,前房の深さの程度と隅角鏡(gonioscope)による観察所見より,前房隅角(irido-corneal angle)の広さや狭窄の程度で緑内障を分けて考えるようになった。1938年Barkan1)は,周辺虹彩が房水流出路の線維柱帯(trabecular meshwork)部に接着(閉塞)することにより,房水が流出できなくなり眼圧が上昇することを初めて報告した。このBarkanの報告は緑内障に対する考え方を大きく前進させた。1949年のAmerican Academy of Ophthalmology and Otolaryngologyの学会での緑内障シンポジウムで,wide-angle versus narro-angle緑内障2)について取りあげられ,原発閉塞隅角緑内障(pri-mary angle closure glaucoma, PACG)に対する認識が広められた。
 このPACGの病態として,Chandler5), Grant4) Barkan1), Sugar3), Mapstone6)らにより瞳孔部で虹彩と水晶体が接着し,後房から前房への房水の流れを障害し,後房圧を上昇させて虹彩を弓状に前方へ突出させるため,周辺虹彩が線維柱帯部と接着して閉塞して房水の流出を障害するために眼圧を上昇させる…との瞳孔ブロック機序(pupil-lary block mechanism)の概念6)が示された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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