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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科50巻11号

1996年10月発行

特集 緑内障Today

Ⅵ 術中・術後トラブル対処法—こんな時どうする

術中トラブル対処法—線維柱帯切開法

著者: 山岸和矢1

所属機関: 1関西医科大学附属香里病院眼科

ページ範囲:P.194 - P.197

文献概要

はじめに
 線維柱帯切開術(trabeculotomy ab externo,以下トラベクロトミーと略す)は線維柱帯の増大した流出抵抗を軽減し正常な流出路を再建する術式である1)。線維柱帯の流出抵抗増大を原因とする緑内障のなかで特に原発開放隅角緑内障,PE症候群などに対しては最も合目的な術式であり,近年トラベクロトミーを選択する術者も増えている2)
 この術式の利点は術後合併症が少ない点3)で,特に術後感染は皆無である。欠点は線維柱帯切除術(トラベクレクトミー),特に線維芽細胞増殖抑制薬併用トラベクレクトミーほど低い眼圧にコントロールできないことで,このため末期緑内障には適しないが,早期緑内障には最も適した術式であり4),quality of lifeの面からも早期の原発開放隅角緑内障とPE症候群には適した術式である。また白内障との同時手術では超音波乳化吸引術との同時手術で特に優れた成績5)を示している。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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