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コラム
緑内障診療と眼底面像診断
著者: 阿部春樹1
所属機関: 1新潟大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.218 - P.219
文献購入ページに移動 緑内障とは眼圧が健常眼圧を越えて上昇し,かつ持続することにより視神経線維が抵抗の弱い部分から変性脱落する疾患である。したがって緑内障が進行すると,視神経軸索の変性脱落によって視神経乳頭陥凹の拡大が起こり,網膜面では網膜神経線維層の抜けや欠損が生ずる。乳頭陥凹の拡大については,古くから陥凹/乳頭径比(C/D比)がその指標として用いられてきたが,緑内障の進行とともに乳頭陥凹は水平方向だけではなく,垂直方向にも拡大するためその変化は三次元的に評価する必要がある。従来,乳頭陥凹の評価は,検眼鏡または眼底写真を用いて検者により主観的に行われていたが,熟練した専門医の間でも結果の不一致が少なくないことから,乳頭所見の客観的かつ定量的な評価が必要である。
近年,コンピュータ画像解析装置が開発され,同時立体像から乳頭所見の定量的かつ客観的な評価が可能となり,網膜神経線維層の変化も量的に評価できるようになった。特に近年開発された走査型レーザー検眼鏡は,弱出力レーザー光で眼底を高速に走査して画像を得るという新しいタイプの眼底観察記録解析装置である。本装置では,レーザー光で眼底を走査して眼底からの反射光を検出するが,検出器の前に小孔があり点光源と共役な関係にある焦点の合った像のみを検出する。したがって,焦点面以外の反射光は排除され検出されないので,鮮明な画像が得られる。また無散瞳下での画像の取り込みと,乳頭および網膜神経線維層の定量的解析が可能であり,高い再現性を有している。この共焦点走査型レーザー検眼鏡の開発により,眼底の断層的観察が可能となり,特に乳頭節状板のビームや孔の構造や配列の観察や,乳頭陥凹および網膜神経線維層の定量的評価と,さらには乳頭およびその周囲の網脈絡膜循環動態の観察が可能となった。ここでは装置の原理や方法,そして結果の詳細について触れるスペースはないので,緑内障診療における画像解析装置を用いた乳頭陥凹および網膜神経線維層欠損の評価とその注意点について述べる。
近年,コンピュータ画像解析装置が開発され,同時立体像から乳頭所見の定量的かつ客観的な評価が可能となり,網膜神経線維層の変化も量的に評価できるようになった。特に近年開発された走査型レーザー検眼鏡は,弱出力レーザー光で眼底を高速に走査して画像を得るという新しいタイプの眼底観察記録解析装置である。本装置では,レーザー光で眼底を走査して眼底からの反射光を検出するが,検出器の前に小孔があり点光源と共役な関係にある焦点の合った像のみを検出する。したがって,焦点面以外の反射光は排除され検出されないので,鮮明な画像が得られる。また無散瞳下での画像の取り込みと,乳頭および網膜神経線維層の定量的解析が可能であり,高い再現性を有している。この共焦点走査型レーザー検眼鏡の開発により,眼底の断層的観察が可能となり,特に乳頭節状板のビームや孔の構造や配列の観察や,乳頭陥凹および網膜神経線維層の定量的評価と,さらには乳頭およびその周囲の網脈絡膜循環動態の観察が可能となった。ここでは装置の原理や方法,そして結果の詳細について触れるスペースはないので,緑内障診療における画像解析装置を用いた乳頭陥凹および網膜神経線維層欠損の評価とその注意点について述べる。
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