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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科50巻12号

1996年11月発行

臨床報告 カラー臨床報告

高齢者に発症した原田病の1例

著者: 伊田宜史1 松永裕史1 宇山昌延1

所属機関: 1関西医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.1769 - P.1773

文献概要

 原田病は青壮年期に多く発症し,高齢者にはまれであるが,筆者らは高齢者に発症した原田病の症例を経験したので報告する。患者は81歳の男性で,難聴と視力低下を自覚し受診した。両眼とも前眼部には前房内細胞および角膜後面沈着物があり,眼底は視神経乳頭の充血,浮腫が強く,後極部網膜はびまん性浮腫状に混濁していた。フルオレセイン螢光眼底造影では視神経乳頭に螢光漏出がみられ,インドシアニングリーン螢光造影では脈絡膜循環障害がみられた。髄液細胞数の増加,HLAはDR4陽性であり,本症例を乳頭浮腫型の原田病と診断した。ステロイド大量投与を行い,眼底所見,視力は改善した。
 高齢者であっても原田病が発症することがあり,髄液検査,HLA検査などを参考にして,診断が遅れないように注意する必要がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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