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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科50巻12号

1996年11月発行

文献概要

臨床報告

HLA-B27関連ぶどう膜炎の臨床像

著者: 南場研一1 小竹聡1 笹本洋一1 吉川浩二1 松田英彦1 楫野知道2 金田清志2

所属機関: 1北海道大学医学部眼科学教室 2北海道大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.1811 - P.1814

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 過去8年間に当科ぶどう膜炎外来を受診した患者で,HLA検査を行った270例のうちHLA-B27陽性の26例(9.6%)の臨床像を診療録より検討した。男女比は21:5で,男性に多かった。臨床像ではこれまでの報告同様,線維素析出,前房蓄膿,虹彩後癒着を生じる症例が多かったが,視力予後は良好であった。強直性脊椎炎の合併は5例(19%)であった。その他の臨床所見として,眼瞼の腫脹および疼痛を訴える症例が5例あった。また,発症時の視力低下の主因となっているのは線維素の析出であり,消炎とともに視力は速やかに回復した。中等度以上の硝子体混濁あるいは視神経乳頭の発赤などの後眼部病変を伴う症例が10例(39%)にあったが,前眼部病変とともに速やかに消失し,視力予後には影響を与えなかった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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