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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科50巻12号

1996年11月発行

臨床報告

ビンクリスチン投与後に視神経障害をきたした1例

著者: 川島晋一1 小田仁1 福積聡2 田中信3

所属機関: 1東京都済生会中央病院眼科 2静岡赤十字病院形成外科 3静岡赤十字病院皮膚科

ページ範囲:P.1817 - P.1819

文献概要

 64歳男性が臀部の悪性黒色腫の切除の後,ダカルバジン,塩酸ニムスチン,ビンクリスチンの全身投与を受けた。その22か月後に両眼に霧視が生じ,ぶどう膜炎と緑内障と診断された。その3か月後の当科受診時の矯正視力は右0.5,左0.3であった。その直後に前回と同じ3者併用による全身治療を開始した。その1週後に視力低下が生じ,さらに2週後には左右眼共に視力が20cm手動弁に低下していた。このとき,前房と硝子体混濁,視神経の所見には変化はなかった。右眼に盲点の拡大,左眼に視野狭窄があった。3か月後には,視力は光覚弁になり,視神経萎縮が出現した。経過中,ステロイド薬の全身投与は無効であった。この視神経障害は,細胞抑制剤,特にビンクリスチンの副作用によると思われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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