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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科50巻12号

1996年11月発行

文献概要

臨床報告

加齢黄斑変性症に対する放射線治療

著者: 谷口朋子1 万代道子1 本庄恵1 松田直子1 宮本秀樹1 高橋政代1 小椋祐一郎1 笹井啓資2

所属機関: 1京都大学医学部眼科学教室 2京都大学医学部放射線科

ページ範囲:P.1821 - P.1826

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 加齢黄斑変性症15例15眼に対し放射線治療を行い,その効果を検討した。適応は①治療前の半年間に悪化のみられた加齢黄斑変性症で,②脈絡膜新生血管が黄斑部にかかっており,③視力が0.8未満で,かつ④過去に光凝固術などの治療歴のないものとした。対照は同じ条件の加齢黄斑変性症で無治療例のうち,1年以上経過観察が可能であった症例17例17眼とした。治療群にはCT simulation後,2Gyずつ,6MvのX線を連日5回(計10Gy)側面より後極部へ照射した。治療群の治療後経過観察期間は9か月以上で,1年未満のものは最終時点で,1年以上経過観察できたものは1年の時点で対照群と比較検討した。新生血管板の大きさ,全病巣の大きさはともに治療群において有意に縮小した。また,治療前の新生血管板の大きさが1.5乳頭径以内のものでは矯正視力が不変または改善したものは治療群では90%に達し,対照群の36%に比べて有意に高かった。放射線治療は特に新生血管板の小さい症例において有効であると思われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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