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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科50巻12号

1996年11月発行

文献概要

臨床報告

糖尿病網膜症における脈絡膜血管障害

著者: 高橋京一1 村岡兼光1 須藤憲子1 池田史子1 小林秀雄1 山口由美子1

所属機関: 1群馬大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1831 - P.1839

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 糖尿病網膜症における脈絡膜血管障害の有無を検索した。単純糖尿病網膜症6眼,増殖網膜症29眼を対象とし,走査レーザー検眼鏡を使ってインドシアニングリーン(ICG)造影を施行した。一画角70°の広角画像を貼り合わせてパノラマ脈絡膜造影像を作製し,正常眼と比較した。フルオレセイン螢光造影を併せて行いICG画像と比較した。
 単純網膜症1眼と増殖網膜症21眼で黄斑部のびまん性螢光の減弱が観察された。網膜血管床閉塞が高度な6眼では中間周辺部で虫食い状の脈絡毛細管板の閉塞があった。増殖網膜症で脈絡毛細管板に変化のあった7眼では,脈絡膜の中・大静脈レベルで血管数の減少が観察され,うち6眼では渦静脈が狭細化していた。
 重症糖尿病網膜症では脈絡毛細管板や脈絡膜の中・大静脈に高率に血流障害があることが証明された。渦静脈は脈絡膜の血流障害時に狭細化することが推測された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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