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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科50巻13号

1996年12月発行

臨床報告

脳動脈瘤クリッピング手術後に視神経障害を生じた1例

著者: 河島義治1 雑賀司珠也1 大西克尚1 尾崎文教2

所属機関: 1和歌山県立医科大学眼科学教室 2和歌山県立医科大学脳神経外科学教室

ページ範囲:P.1921 - P.1924

文献概要

 くも膜下出血が45歳男性に発症した。脳血管造影で前交通動脈瘤が発見され,翌日手術を受けた。前大脳動脈に10分間クリッピングを行ったのち,前交通動脈の後方に突出する動脈瘤にクリッピングをした。手術の2日後に視力障害を自覚した。右眼視力1.2,左眼視力0であり,眼位,眼球運動,輻輳は正常であった。左眼の対光反射は,直接反射が消失,間接反射は存在し,Marcus-Gunn瞳孔を呈した。眼底は正常所見であった。CT検査で視神経の圧迫などの所見はなく,脳血管撮影で眼動脈も良好に描出された。経過中,左眼の視神経萎縮が生じた。網膜中心動脈と静脈には異常がなく,螢光眼底造影でも腕網膜循環時間と網膜血管には異常がなかった。手術中の左側眼動脈圧迫が視神経障害の原因として疑われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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